【Q】
甲状腺乳頭癌は手術後の生命予後は良好ですが,術後の経過観察において,頸部リンパ節再発症例がたびたび経験されます。もちろん,その進行が遅いことから,いったん発見されたリンパ節腫大に対し,その時点で大きな問題がなければ細胞診をせず,そのまま様子を観察するケースもあるとは思います。しかし,一方で担癌状態の可能性があることへのストレスを感じ,診断および治療を求める患者さんが多いというのも事実です。また,再発を繰り返すため,その手術タイミングの決定に頭を悩ますことも多々あります。【A】
甲状腺乳頭癌の再発部位として頸部リンパ節は最も頻度の高いもので,その取り扱いに苦慮する場合も稀ではありません。私たちの施設では甲状腺乳頭癌術後のリンパ節腫大に対しては,甲状腺微小癌の取り扱いに準じた対処を行っています。