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原発性副甲状腺機能亢進症の局在診断

No.5003 (2020年03月14日発行) P.54

大桑恵子  (伊藤病院外科医長)

登録日: 2020-03-14

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 【99mTc-MIBIシンチグラフィやSPECT/CT fusionで鑑別が以前より容易になった】

原発性副甲状腺機能亢進症(pHPT)に対する治療は,無症候性pHPTを除き原則外科的切除となる。

外科治療では術前の局在診断が重要である。低侵襲で簡便な超音波検査は,近年解像能の進歩により診断能力が高くなったが,弱点は死角があることで,腫大腺が気管や食道の周囲や背側,あるいは縦隔内などに存在する場合には観察困難なことがある。

2010年に副甲状腺機能亢進症における局在診断への適応が承認された99mTc-MIBIシンチグラフィと頸部CT検査を組み合わせる(SPECT/CT fusion image)ことにより,異所性副甲状腺腫の同定,甲状腺結節やびまん性甲状腺腫の合併症例や頸部リンパ節との鑑別が以前より容易になった1)。また,術中intact-PTH測定にて摘出前後の測定値を比較することで,手術の成否が術中に判断できるようになり,治癒率を向上させることができている2)。そのため,単腺腫大で局在性が明らかな腺腫症例に対しては,皮膚小切開による腫大腺のみの摘出(minimally invasive parathyroidectomy)で手術を終えることも可能である。最近,ICGによる術中副甲状腺造影をガイドに,局在を明らかにしながら副甲状腺摘出術を行うことで手術成績も良好であったといった報告もあり,術中補助としての有用性が期待される3)

【文献】

1) Périé S, et al:Am J Kidney Dis. 2005;45(2): 344-52.

2) Sugino K, et al:Endocr J. 2010;57(11):953-8.

3) DeLong JC, et al:Surgery. 2018;163(2):388-92.

【解説】

大桑恵子 伊藤病院外科医長

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