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日本甲状腺外科学会と日本内分泌外科学会の統合

No.4939 (2018年12月22日発行) P.58

伊藤公一 (伊藤病院院長)

登録日: 2018-12-22

最終更新日: 2018-12-17

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【内分泌外科医の仕事に,さらなる注目が集まることを願う】

甲状腺外科医が勉強する場所は,50年の歴史を持つ日本甲状腺外科学会と30年間続いた日本内分泌外科学会である。両者の成り立ち,目標は似て非なるものがあったが,より強固な組織力,存在感が獲得されるよう,周到な議論を積み重ねた上,発展的統合がなされることとなった。

そこで内分泌外科医の仕事を鑑みると,自身が専門とする甲状腺・副甲状腺に加え,副腎疾患,そして膵臓,乳腺,脳神経内分泌疾患までもが含まれ,その診療領域が実に幅広いことに,改めて気づかされた。よって学会員,専門医は,体表臓器の外科診療を行う乳腺・甲状腺外科医から耳鼻咽喉科・頭頸部外科医,副腎手術を担当する泌尿器科医,膵臓疾患を取り扱う消化器外科医,下垂体腫瘍を専門とする脳外科医,さらには放射線科医,病理医までと実に多岐にわたっている1)

また,日本外科学会女性会員数が徐々に増加し,直近では新入会員のうち約25%までを女性医師が占めるようになってきた。そこで女性外科医師の決意を尊重し,モチベーションを維持し,息の長い外科医人生を実現させるため,日本内分泌外科学会においても独自の取り組みが始まりつつある2)

法人格も取得し,さらにステップアップした学会と,外科学会,耳鼻咽喉科学会,泌尿器科学会,それぞれの専門医制度サブスペシャリティーの位置を獲得した内分泌外科医の仕事に,さらなる注目が集まれば,と願っている。

【文献】

1) 伊藤公一:Urol Today. 2018;25(4). [Epub ahead of print]

2) 伊藤公一:日内分泌・甲状腺外会誌. 2018;35(2): 123-8.

【解説】

伊藤公一 伊藤病院院長

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