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甲状腺未分化癌の最新治療

No.4952 (2019年03月23日発行) P.52

宇留野 隆 (伊藤病院外科医長)

登録日: 2019-03-23

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【血管新生抑制薬レンバチニブが新たな選択肢に】

甲状腺未分化癌患者の長期生存には,外科手術,化学療法,放射線療法の集学的治療が必要条件と考えられてきた。パクリタキセル (微小管阻害薬)は,術前投与により根治手術の達成率を上昇させ,生命予後を改善してきた。

わが国では,血管新生抑制薬であるレンバチニブが,2015年より選択肢として加わり,新たな局面を迎えた。高い奏効率が期待できるが,気管浸潤や頸動脈浸潤などの症例では,瘻孔形成などにより,生命予後を短縮する危険もある。出血や創傷治癒阻害の危険から,外科治療や放射線治療との親和性は低く,非切除症例や遠隔再発例に用いられている。

BRAF V600Eの体細胞変異は,未分化癌の20~50%に認められる。米国では,BRAF阻害薬であるダブラフェニブとMEK阻害薬であるトラメチニブの併用(二重阻害)が,18年に認可された。この二重阻害に加え,免疫チェックポイント阻害薬(PD-1阻害薬)であるペムブロリズマブを術前投与し,根治手術を達成した報告もある。

19年中に保険収載が期待される,遺伝子パネル検査に基づく精密医療(プレシジョン・メディシン)への期待も大きい。

【参考】

▶ 宇留野 隆:日甲状腺会誌. 2013;4(2):96-100.

▶ Subbiah V, et al:J Clin Oncol. 2018;36(1):7-13.

【解説】

宇留野 隆 伊藤病院外科医長

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