薬疹は,薬剤を使って医療行為をする医療従事者は,決して見逃してはならない疾患である。この世に薬疹を起こさない薬剤はなく,薬疹はその薬剤を投与しなければ決して起こらなかった疾患であることを考えれば,薬剤を扱う医療従事者にとって,最も重要な疾患と言えるであろう。しかも,重症薬疹は死亡率が20%もあり,見逃した場合の責任はきわめて大きい。最も医療訴訟の多い疾患のひとつであることも当然と言えよう。
本特集では,その決して見逃してはならない薬疹,特に重症薬疹を見逃さないポイントを,経験豊富な先生方が嚙んで含めるように,わかりやすく解説している。読者は,これを読めば診療のコツがわかり,明日からの診療に自信が持てること請け合いである。
1 SJS/TENを見逃さないために
昭和大学医学部皮膚科学講座教授 末木博彦
2 DIHSを見逃さないために
埼玉医科大学総合医療センター皮膚科 平原和久
3 ウイルス性発疹症との鑑別点
奈良県立医科大学皮膚科学教室教授 浅田秀夫