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認知症の臨床診断におけるコツ 【認知症の各タイプの特徴を把握した上で,観察・聞き取りなどからヒントを得る】

No.4826 (2016年10月22日発行) P.52

馬場康彦 (東海大学医学部付属病院 認知症疾患医療センター長/東海大学医学部内科学系神経内科学准教授)

川口千佳子 (せやクリニック副院長)

登録日: 2016-10-21

最終更新日: 2016-10-21

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  • 増加の一途をたどる認知症の診療において,画像検査などが早急に行えず診断に苦慮するケースも多くあるかと思います。問診や臨床所見から認知症の原因疾患を鑑別する際のポイントについてご教示下さい。せやクリニック・川口千佳子先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    馬場康彦 東海大学医学部付属病院 認知症疾患医療センター長/東海大学医学部内科学系神経内科学准教授


    【回答】

    患者が診察室に入ってくるときから少しでも多くの情報を得ようとしています。一人でいらしたのか,家族に付き添われ不安そうに入ってくるのかでは,後者のほうが認知症である可能性は高くなります。入室時の歩行や姿勢の観察も大切です。外来で行う認知症のスケールでは,認知症であるか否かの判断にも悩むときがあり,家族や付き添いの人からの日常生活の聞き取りにも時間をかけています。

    画像検査を早急に必要とする疾患もあります。数週から数日間での認知機能の低下や会話が成り立たないといった意識障害を疑う症状が出現し,麻痺なども伴っていれば慢性硬膜下血腫(高齢者の場合,頭部外傷の既往がはっきりしない場合もある)や脳卒中の可能性があります。そこまで急性の経過ではなくとも歩行障害(歩幅が狭く,失調様)が進行し,失禁を伴う場合には正常圧水頭症の可能性があり,画像検査は必須です。数年前から症状が出現している慢性経過の場合は,臨床症状からある程度の原因疾患の鑑別が可能です。

    アルツハイマー型認知症を疑う症状としては,近時記憶障害,見当識障害が目立ち,ゴミ出しの日を間違える,探し物が多い,内服管理ができず通院の間隔がまちまちになる,などがあります。BP SD(認知症に伴う行動・心理症状)に関しては,陰性症状として無気力,無関心,陽性症状として物盗られ妄想が多くみられます。

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