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肝疾患診断における非侵襲的肝硬度・脂肪量測定

No.4712 (2014年08月16日発行) P.53

兵庫秀幸 (広島大学消化器・代謝内科診療講師)

茶山一彰 (広島大学消化器・代謝内科教授)

登録日: 2014-08-16

最終更新日: 2016-10-26

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種々の肝疾患の確定診断や病期診断に肝生検が行われている。近年,非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD),単純性脂肪肝である非アルコール性脂肪肝(NAFL)と肝硬変や肝臓癌のリスクとなる進行性の非アルコール性脂肪肝炎(NASH)が増加の一途をたどっている。肝生検などによる組織診断がNASH確定診断のgold standardとされているが,脂肪肝全例を肝生検により確定診断することは現実的ではない。診断すべき症例の選択が重要と考えられる。
近年,医療機器の開発により肝臓の硬さを測る肝硬度測定が種々の機器で非侵襲的に行えるようになった。しかし脂肪性肝疾患の増加を考慮すると,肝臓の硬さとともに脂肪量の評価が同時に行えることが望ましい。このような目的で使用できる機器としてFibroScanR(Echosens, Paris, France)が登場した。FibroScanは,せん断波を利用して肝硬度測定を可能にした機器であり,同時に脂肪量をcontrolled attenuation parameter(CAP)を用いて評価できる(文献1~3)。このような機器により,肝線維化評価や肝脂肪量評価が同時に,何回も非侵襲的に可能となった。
肝病態の診断,経過観察,治療効果判定や肝生検診断をすべき症例選択の一助になることが期待される。

【文献】


1) Sasso M, et al:Ultrasound Med Biol. 2010;36 (11):1825-35.
2) Chon YE, et al:Liver Int. 2014;34(1):102-9.
3) Masaki K, et al:Hepatol Res. 2013;43(11): 1182-9.

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