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超音波内視鏡ガイド下胆道ドレナージの利点と注意点

No.4774 (2015年10月24日発行) P.51

伊佐山浩通 (東京大学消化器内科准教授)

中井陽介 (東京大学消化器内科)

小池和彦 (東京大学消化器内科教授)

登録日: 2015-10-24

最終更新日: 2016-10-26

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超音波内視鏡(EUS)ガイド下胆道ドレナージは,EUSガイド下に消化管内から胆管を穿刺し,ガイドワイヤー挿入後にステントを留置する手技で,EUS-BD(biliary draina-ge)と呼ばれる(文献1)。適応はERCPにて胆管挿管困難・不能例(失敗例,乳頭へのアクセス不能例)である。膵炎が起きないことがメリットで,胆嚢炎の減少も期待される。腫瘍を通さないドレナージなので,腫瘍からの出血や壊死物質,反応性物質などの減少から,ステント開存期間の延長も期待される。一方,まだ確立されていない手技であり,胆汁や胃・腸液の漏出による腹膜炎や穿刺に伴う出血が危惧される。
手術が必要な重篤な偶発症が起きる可能性があり,ERCP,EUS双方に熟練した医師のみが施行すべきである。瘻孔からの出血,漏出を防ぐため,最近covered typeの金属ステントが使用されるようになり,偶発症は低減した。手技の安定化とともにEUS-BDの適応は拡大し,経皮経肝胆道ドレナージ(PTBD)の代替手技,胆管ステント成績不良な十二指腸ステント留置例,経乳頭的ステント治療での偶発症高危険群などが検討中である。
本手技は正式に保険適用となったが,まだ誰もができる手技ではない。2014年に日本消化器内視鏡学会,日本消化器病学会,日本胆道学会,日本膵臓学会が合同で提言(文献2)を作成し,安全な運用を呼びかけているので,一読されたい。

【文献】


1) Kawakubo K, et al:J Hepatobiliary Pancreat Sci. 2014;21(5):328-34.
2) 超音波内視鏡下瘻孔形成術による閉塞性黄疸治療に関する提言. 2014. [http://www.jges.net/index.php/member_submenu/archives/356]

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