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SWIの有用性 【脳実質内の鉄沈着の検出に,より優れる】

No.4802 (2016年05月07日発行) P.57

高橋木綿子 (順天堂大学放射線医学)

青木茂樹 (順天堂大学放射線医学教授)

登録日: 2016-05-07

最終更新日: 2016-10-26

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SWI(susceptibility-weighted imaging)はT2*強調像(T2*WI)と同様に局所磁場を乱す構造を強調した画像であり,頭蓋内の鉄を低信号として検出できる。SWIでは,①還元型ヘモグロビンが多く存在する静脈構造も低信号として描出され,さらに②T2*WIでは不明瞭なフェリチンとして存在する鉄の検出にも優れる点がT2*WIとは異なっている(文献1)。
頭蓋内の血管奇形では,海綿状血管腫は繰り返す出血によるヘモグロビンがT2*WI,SWIともに低信号として描出されるが,静脈奇形では静脈構造の情報を得られるSWIでumbrella signが明瞭に描出される。
脳鉄沈着とジストニアを主徴とする神経変性疾患群を総称し,neurodegeneration with brain iron accumulation(NBIA)という概念が提唱されているが注)(文献2),SWIはこれらの疾患の特徴である脳実質内の鉄沈着の検出に,より優れる。また,筋萎縮性側索硬化症においては,中心前回に沈着したフェリチンが帯状の低信号として描出されることがある(文献1)。
注)パントテン酸キナーゼ関連神経変性症,神経フェリチン症,無セルロプラスミン血症,細胞内のオートファジーの異常によるstatic encephalopathy with neurodegeneration in adulthood(SEN
DA)などがNBIAに含まれる。

【文献】


1) Adachi Y, et al:J Neuroimaging. 2015;25(3):443-51.
2) 青木茂樹, 他, 編著:よくわかる脳MRI. 第3版. 学研メディカル秀潤社, 2012, p524-31.

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