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放射線療法看護認定看護師の役割

No.4988 (2019年11月30日発行) P.53

松島由佳 (武蔵野赤十字病院 がん放射線療法看護認定看護師)

登録日: 2019-12-02

最終更新日: 2019-11-26

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【日々の変化に合わせたケアの提供・指導を行う】

放射線治療部門は,放射線腫瘍医,医学物理士,放射線治療品質管理士,診療放射線技師,看護師,事務などの多職種で構成される。2012年度の診療報酬改定で外来放射線照射診療料が算定できるようになり,施設基準に専従看護師の配置が位置づけられた。がん診療連携拠点病院の指定要件には「放射線治療室に専任の常勤看護師を1人以上配置すること。(中略)がん放射線療法看護認定看護師であることが望ましい」と明記され,19年7月現在,全国で323人のがん放射線療法看護認定看護師が各施設で活動している。

認定看護師の役割は,各専門分野における患者・家族への看護の実践,看護師への指導や相談の3つがある。がん放射線療法看護認定看護師は,放射線治療における専門的知識をもとに,治療経過を把握して有害事象の予防や日々の変化に合わせたケアの提供・指導を行う。また,長期にわたる治療が完遂できるように,身体的苦痛とそれに伴う精神的な苦痛や不安に寄り添い,適切なタイミングで個々に合わせた支援を行うことが重要な役割となる。

当院の高精度放射線治療センターには,14年よりがん放射線療法看護認定看護師1人が配属されており,治療患者への直接ケアと外来や病棟へ診療放射線技師と訪問することで,看護師への情報提供やケアの指導を行っている。

放射線治療は,有害事象による身体的・精神的苦痛を伴うため,医師をはじめ多職種と密に連携しながら,がん放射線療法看護認定看護師が要になって治療完遂に向けて支援していきたいと考えている。

【解説】

松島由佳 武蔵野赤十字病院 がん放射線療法看護認定看護師

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