2014年11月5~6日に開催されたG7認知症サミット日本後継イベントにおいて,安倍首相が会議の冒頭,認知症対策を国家戦略とすることを宣言し,15年1月27日には新オレンジプランが発表された(文献1)。それによれば,目標は「認知症の人の意思が尊重され,できる限り住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指す」ことで,厚生労働省が関係省庁(内閣官房,内閣府,警察庁,金融庁,消費者庁,総務省,法務省,文部科学省,農林水産省,経済産業省,国土交通省)と共同して策定した。
新プランの対象期間は,団塊の世代が75歳以上となる25年までであるが,数値目標は介護保険に合わせて17年度末としている。策定にあたり認知症の人や家族など,様々な関係者から幅広く意見を聴取,早期診断・早期対応を軸とし,妄想・うつ・徘徊等の行動・心理症状や身体合併症などがみられても,医療機関・介護施設などでの対応を固定化するのではなく,最もふさわしい場所で適切なサービスが提供される循環型の仕組みを構築するとしている。(1)本人主体の医療・介護等の徹底,(2)発症予防の推進,(3)早期診断・早期対応のための体制整備,を行い,かかりつけ医の認知症対応力向上,認知症サポート医の養成,歯科医師・薬剤師の認知症対応力向上,認知症疾患医療センター等の整備,認知症初期集中支援チームの設置,が主たる課題とされている。
1) 厚生労働省:認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン). [http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdou
happyou-12304500-Roukenkyoku-Ninchishougyakutaiboushitaisakusuishinshitsu/02_1.pdf]