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(2)乳幼児RSV感染症の臨床と病態生理 [特集:知っていますか! RSV感染症]

No.4828 (2016年11月05日発行) P.31

堤 裕幸 (札幌医科大学医学部小児科教授)

要藤裕孝 (札幌医科大学医学部小児科准教授)

津川 毅 (札幌医科大学医学部小児科講師)

登録日: 2016-11-04

最終更新日: 2016-11-01

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  • Q6 RSVは乳幼児にはどのように感染しますか?

    A6 RSVは飛沫感染,接触感染により,鼻腔,口腔,眼結膜より侵入し,まず鼻粘膜上皮に感染を成立させます。4~5日の潜伏期の後,発熱,鼻汁,咳嗽などの上気道症状が現れます。これが2~3日続いた後,感染した鼻粘膜上皮から出芽したウイルスが吸気により下気道に運ばれ,親和性の高い細気管支の線毛上皮細胞やⅠ型肺胞上皮細胞に感染が成立すると,喘鳴,多呼吸など下気道炎の症状を呈してきます。今まで,RSVの細胞受容体は特定されていませんでしたが,nucleolinという核蛋白の一種が受容体として働くことが明らかにされました1)
    自然免疫のひとつとしても機能する鼻粘膜上皮のタイト結合蛋白の発現がRSV感染により増強し,RSVの出芽に有利に働くことが示されました2)。RSV感染が高率に下気道炎に至ることを説明する理由のひとつとも考えられます。   

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