米国の医療問題をテーマとしたドキュメンタリー調の映画で、マイケル・ムーア監督・出演の作品(DVD:ギャガ・コミュニケーションズ、2008年発売)
自らの立ち位置を知り、これからの方向性を検討する上でも、他者を知る必要がある。医療の原点「患者さんの立場に立った医療」を実践するには、「相手の立場」「他者の立場」を理解する努力が必要である。「他人を憂える感性、他人の苦労に敏感な感性こそ、教養人にもっとも必要な感性である」とは、私の恩師の言葉である。哲学者丸山真男氏も「他者感覚の無さ、同じ仲間とだけ話すその怖さ」「自分自身が正しいと思っているものに常に疑問を持つ」「違った職場の人と話してほしい」等述べている。
マイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画は、他の世界を知る上でもインパクトが強い。アカデミー長編ドキュメンタリー映画賞受賞の米国高校銃乱射事件を題材とした「ボウリング・フォー・コロンバイン」(2002年)、米国大統領選挙の「華氏911」(2004年カンヌ国際映画祭最高賞受賞)、米国と諸外国の医療事情を比較した「SiCKO」(2007年)、麻薬の使用が合法のポルトガル等々、世界の異なった社会文化に驚かされる「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」(2015年)など。
残り283文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する