外科系学会社会保険委員会連合(岩中督会長)は13日、2016年度診療報酬改定の検証として、日本産科婦人科学会が実施した帝王切開術についての調査結果を公表した。日産婦加盟の12の大学病院・総合病院、12診療所を対象に調査を行ったところ、9病院と9診療所で14年度改定前の水準まで点数が戻っていないことが明らかとなった。
帝王切開術を巡っては、外保連が手術などの診療行為について難易度や時間といった客観的指標に基づき試算する『外保連試案』で、手術時間の短縮に伴う人件費が減少したとして、14年度改定で2万2160点から2万140点に評価が引き下げられた。これを受けた日産婦や外保連の要望などで16年度改定では「選択帝王切開術」の評価は据え置きだったものの、「緊急帝王切開術」は2万2200点に増点。14年度改定前の水準を上回った。
調査結果を説明した日産婦社会保険委員会の関博之委員(写真)は、「(帝王切開術)1件当たりの点数は大学病院・総合病院では13年度の2万2373点から15年は2万267点に落ち込み、16年は2万2085点と持ち直したが、引下げ前の水準には戻っていない。診療所の傾向も同じだが、12年度改定の点数まで戻していかないと現場の疲弊が改善されない」との考えを示した。