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非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)の診断および治療─妊娠分娩管理も含めて 【分娩後も腎障害が急速に進行するHEL LP症候群はaHUSを疑う】

No.4838 (2017年01月14日発行) P.54

小林隆夫 (浜松医療センター院長)

宮川義隆 (埼玉医科大学病院総合診療内科(血液)教授)

登録日: 2017-01-11

最終更新日: 2017-01-10

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  • 非典型溶血性尿毒症症候群(atypical hemolytic uremic syndrome:aHUS)の診断および治療について,妊娠分娩管理も含めて,埼玉医科大学・宮川義隆先生にお願いします。

    【質問者】

    小林隆夫 浜松医療センター院長


    【回答】

    aHUSは,補体の異常活性化により発症する指定難病です。国内では年間約200名の新規患者が発症すると推定され,急性腎障害,微小血管性溶血性貧血と血小板減少が特徴です。約80%が血液透析を必要とし,従来の血漿交換療法では発症1年後に約20%が死亡し,約50%は維持透析が必要な末期の腎不全になるため,生活の質(QOL)の低下が大きな課題とされてきました。幸いaHUSの研究が急速に進み,約50%に補体制御因子の遺伝子異常があることが明らかとなりました。さらに,2013年に抗補体(C5)モノクローナル抗体製剤エクリズマブ(遺伝子組み換え)(製品名:ソリリス®)が臨床応用され,この新薬により,急性期の死亡と末期の腎不全への移行が回避できるようになりました。

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