藤田保健衛生大の宇山一朗総合消化器外科学教授(写真)は4日、都内で開かれたセミナーで講演し、内視鏡手術支援ロボット「ダヴィンチ」による胃がん手術が、来年春にも保険収載されることに期待を示した。
宇山氏によると、ダヴィンチによる胃がん手術は、2014年に先進医療として厚生労働省が承認。現在、同省が全国330症例のデータを解析中だという。一方、藤田保衛大病院で09~12年に施行した腹腔鏡下胃がん手術(479例)とダヴィンチによる胃がん手術(105例)の術後合併症発生率は、それぞれ10.6%、1.9%だったことを紹介。「合併症が減れば入院期間が短くなり、医療費は安くなる。医療経済的に費用対効果が認められれば、保険収載される可能性は十分ある」と強調した。その上で、「症例数の多い胃がんで、消化器系で初めての保険収載となれば、かなり大きな話だ」と期待を込めた。
手術のコスト削減については、ダヴィンチがインテュイティブサージカル社の独占状態であることから、「競合会社の出現が必要」と指摘し、「2~3年後には日本製の手術支援ロボットが出てくるのではないか」と話した。