編著/シリーズ監修: | 安井博史(静岡県立静岡がんセンター 副院長) |
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編著: | 小野澤祐輔(静岡県立静岡がんセンター原発不明科 部長) |
判型: | B5判 |
頁数: | 596頁 |
装丁: | 2色刷 |
発行日: | 2022年04月30日 |
ISBN: | 978-4-7849-5612-8 |
版数: | 第3版 |
付録: | 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます) |
大規模試験やガイドライン改訂に合わせて、レジメンを大幅追加。
・EBMを主軸にしながらも、臨床現場で培われた経験的ポイント・治療のこつを具体的にわかりやすく記載。
・癌化学療法の実臨床で生じる「困った!」「悩む…」といった現場の声に、“静がん”(静岡県立静岡がんセンター)が惜しみなくメソッドを公開しています。
第3版で新たに追加された項目
【頭頸部癌】
weekly CDDP+RT(毎週、術後)/split CDDP+RT/CBDCA+PTX+Cmab/Pembrolizumab/FP(or 5-FU+CBDCA)+Pembrolizumab/DTX+Tmab
【食道癌】
Nivolumab/Pembrolizumab
【胃癌】
XELOX+Tmab/SOX+Tmab/Trastuzumab Deruxtecan/weekly nab-PTX/weekly PTX+Tmab/Trifluridine/adj S-1+DTX
【胆・膵癌】
nal-IRI+5-FU/LV(膵)/GEM+CDDP+S-1(胆)/GEM+S-1(胆)/術前GEM+S-1/Olaparib(膵)/Pemigatinib(胆)
【大腸癌】
Capecitabine+Bmab/IRIS+Bmab/CAPIRI+Bmab/Pembrolizumab/Nivolumab/Nivolumab+Ipilimumab/ENCO+Cmab/ENCO+BINI+Cmab
1. SCC院内ガイドライン・補足資料
院内ガイドライン
補足資料
2.レジメン・有害事象マネジメント
※第3版で新たに追加された項目
【頭頸部癌】
CDDP+RT(3週)
weekly CDDP+RT(毎週,術後)※
split CDDP+RT※
CBDCA+RT
Cmab+RT
TPF
Cmab+DTX+CDDP
CBDCA+PTX+Cmab※
FP(or 5-FU+CBDCA)± Cmab
Pembrolizumab※
FP(or 5-FU+CBDCA)+Pembrolizumab※
Nivolumab
weekly PTX
weekly PTX+Cmab
DTX
S-1
Lenvatinib
Sorafenib(根治切除不能甲状腺癌)
Vandetanib(根治切除不能な甲状腺髄様癌)
DTX+Tmab※
【食道癌】
FP,FP+ RT
5-FU+CDGP
weekly PTX
Nivolumab※
Pembrolizumab※
【胃癌】
S-1+CDDP
SOX
XELOX
mFOLFOX6
XP+Tmab
S-1+CDDP+Tmab
XELOX+Tmab※
SOX+Tmab※
Trastuzumab Deruxtecan※
S-1
5-FU+ℓ-LV
weekly PTX
weekly nab-PTX※
weekly PTX+Tmab※
weekly PTX+Rmab
CPT-11
Nivolumab
Trifluridine※
adj S-1
adj S-1+DTX※
【胆・膵癌】
FOLFIRINOX(膵)
nal-IRI+5-FU/LV(膵)※
GEM+nab-PTX(膵)
GEM+CDDP(胆)
GEM+CDDP+S-1(胆)※
GEM+S-1(胆)※
術前GEM+S-1※
Gemcitabine(胆・膵)
S-1(胆・膵)
S-1+RT(膵)
adj GEM(膵)
adj S-1(膵)
Olaparib(膵)※
Pemigatinib(胆)※
【大腸癌】
mFOLFOXIRI
FOLFOXIRI+Bmab
FOLFOX
FOLFOX+Bmab
FOLFOX+Cmab/Pmab
FOLFIRI
FOLFIRI+Bmab
FOLFIRI+Rmab
FOLFIRI+AFL
FOLFIRI+Cmab/Pmab
XELOX
XELOX+Bmab
SOX+Bmab
S-1
Capecitabine
Capecitabine+Bmab※
Trifluridine+Bmab
CPT-11
CPT-11+Cmab
IRIS
IRIS+Bmab※
CAPIRI+Bmab※
Cmab/Pmab
Trifluridine
Regorafenib
adj Capecitabine
adj UFT/LV
5-FU+LV,adj 5-FU+LV
5-FU+LV+Bmab
adj FOLFOX
adj XELOX
Pembrolizumab※
Nivolumab※
Nivolumab+Ipilimumab※
ENCO+Cmab※
ENCO+BINI+Cmab※
静がんメソッドシリーズは,初版作成時からのコンセプトとして,一般的なガイドラインや説明書とは異なり,当院が臨床現場で培ってきた経験的ポイント,いわゆる治療のこつを中心に,日常の臨床現場に沿い,なるべく具体的にわかりやすく記載することで,初めて使用する化学療法の際の準備や治療ガイド,ならびに悩み時の解決本となることを期待し作成してまいりました。本シリーズが非常に多くの先生方に御好評をいただくことができ,また今回このように『静がんメソッド 消化器癌・頭頸部癌編 改訂第3版』を作成する運びとなったことは,我々にとっても望外の喜びです。
第2版を2018年に刊行し4年以上が経過し,この間に化学療法は様々な大規模な試験結果が公表され,消化器癌・頭頸部癌領域のガイドラインも改訂が行われています。特に,抗PD-1抗体,抗PDL-1抗体,抗CTLA-4抗体などのがん免疫療法の単剤の有効性に加え,従来の殺細胞性化学療法との併用においても有効性が認められ,化学療法の世界は大きく変貌を遂げています。これらのがん免疫療法は,まだまだ多くの臨床試験が行われており,今後それらの結果から,周術期の化学療法や切除不能・再発がんにおける使用ラインの拡大が期待されています。それに伴い,多くの患者さんが免疫療法を使用する機会が増え,頻度が比較的低いとはいえ,間質性肺疾患,大腸炎,甲状腺機能低下といったホルモン異常などに遭遇することも多くなっており,有害事象マネジメントも今まで以上に慎重に,かつ速やかな対応が求められるようになってきています。
有害事象マネジメントは,もちろん免疫療法だけではなく,すべての化学療法で重要であり,あらかじめ生じる可能性のある有害事象を想定し,その時期を見極め,早期に対応することが何より重要です。この点に留意し,より安全にかつ化学療法の効果を最大限得られるように本書がお役に立てれば幸いです。
初版でも冒頭に書かせていただきましたが,言うまでもなくEBMが医療の根幹であり,まずはしっかりEBMを理解し,それに沿って治療することが大原則です。しかし,EBM外の実臨床で悩む機会は現状多く,その際には本書のような経験から得られた「治療のこつ」が非常に大きな支えになると考えております。我々と同じく癌治療に熱意をもち,最善の治療を提供したいと日々努力しておられる皆様の臨床現場において,少しでもご参考になれば幸いです。
最後になりますが,日常臨床で多忙な中,本書を出版するにあたり御執筆いただいた静岡県立静岡がんセンター消化器内科,原発不明科の先生方に深謝申し上げます。
静岡県立静岡がんセンター副院長 安井博史
静岡県立静岡がんセンター原発不明科部長 小野澤祐輔
下記の箇所に誤りがございました。謹んでお詫びし訂正いたします。