編: | 小濵和貴(京都大学消化管外科 教授) |
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編著: | 久森重夫(京都大学消化管外科 講師) |
編著: | 角田 茂(京都大学消化管外科 講師) |
判型: | B5判 |
頁数: | 186頁 |
装丁: | カラー |
発行日: | 2025年01月17日 |
ISBN: | 978-4-7849-1360-2 |
版数: | 第1版 |
付録: | 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます) |
「外科レジデントのためのベーシック手術」シリーズ第4弾!
・若手医師にとって最高の上部消化管のベーシック手術スキル本ができました。
・外科レジデントにマスターしてほしい食道・胃の発生と外科解剖,がんの手術における郭清や再建のポイント,良性疾患に対する手術のコツがコンパクトにまとまっています。
・現在最前線で活躍する先輩医師の解説と手技動画で学べば,手術の理解が格段にアップすること間違いなし!
なぜ外科医をめざすのか。
安全で精確な手術のためには,縫合結紮・剥離切開・止血の技術や,術野展開における組織の取り扱いなど,確かな基本技術の習得が必須です。外科手術は結局,基本技術の積み重ねですので,皆様もその習得のためにon-the-job,off-the-job双方のトレーニングを続けていることでしょう。
また,正しい解剖認識も重要です。人体発生の過程を理解して微細な外科解剖を把握するには,頭の中で解剖認識を自分のものにしようとする継続した努力が必要です。 私も,正しい剥離層の認識と,そこに剥離層がある理由を繰り返し繰り返し考えていました。頭の中で腸回転や胃の回転を何度もイメージして,なぜそこに剥離可能層があるのか,どうやって術野展開すれば外科解剖をわかりやすく認識できるのか,リンパ節郭清は発生学・解剖学的にどこまで追求すればよいのか。ヒトの組織の3次元的構造は変わることはありませんので,私たち外科医が解剖のとらえ方をより合理的なものに変えていく必要があります。がんの手術におけるリンパ節郭清・再建や,機能改善 手術を正しく安全に行うために,どのようなコンセプトで手術を行うのか。外科医が解剖やコンセプトを考える時間に比例して,理解も深まるのだろうと考えています。
手術技術のトレーニングと解剖理解の深化。時間をかければかけるほど,技術は向上し,解剖理解は我々の腑に落ちます。その上達の過程はとても楽しいものです。外科医という仕事は,突き詰めるに値すると思いませんか?
本書は,上部消化管外科手術の習得をめざす若手医師のために企画・編集されました。食道・胃の発生と外科解剖,がんの手術における郭清や再建のポイント,良性疾患に対する手術のコツが,まさに現在最前線で活躍する外科医によって惜しみなく示されています。「なるほど,そういうことか!」という気づきや学びが多く得られること でしょう。
上達への道は易くはなく短くもないでしょう。しかし,この教科書で学ぶことにより,若い先生方がもっと“楽しく”上部消化管外科を修練できるようになれば,私たちにとってこんなにうれしいことはありません。
自身の技術や理解の深化とともに,外科の“楽しみ”を身をもって経験し,「外科医をめざしてよかった!」と思えるようになると信じています。
2025年1月
京都大学消化管外科 教授 小濵和貴