進行頭頸部癌の根治治療では,拡大切除と再建術または白金製剤併用の化学放射線治療(concurrent chemoradiotherapy:CCRT)のいずれかを選択することが基本的な方針であった。進行頭頸部癌に対する非手術治療を比較したメタアナリシスの結果,CCRTが最も予後向上に寄与することが示され,標準治療として認識されている1)。放射線と同時併用する化学療法では,シスプラチン単独が最も予後に寄与すると報告されている1)。化学療法を単独で用いる場合は導入化学療法として用いられ,ドセタキセル+シスプラチン+フルオロウラシル(5-FU)(TPF)療法が切除不能症例を含む進行頭頸部癌で生存率や機能温存率の向上に寄与することが示され,標準的なレジメンとなっている2)3)。
局所病変が比較的早期の咽喉頭癌においては,一部ではあるが頸部外切開による部分切除術が行われている。舌口腔癌の局所病変が早期で,頸部リンパ節転移のない症例(T1N0,T2N0)に限定して,一部の症例で小線源治療も行われてきた。
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