司会&総合診療科指導医K:今回は総合診療科からの症例ですが,いつもとはちょっと趣の違うケースを提示します。外来の症例なのですが,患者さんが受診した主訴・理由とは関係のないところから思わぬ診断となった症例です。とにかく,期待していて下さい。それではよろしくお願いします。
担当医(初期研修医):よろしくお願いします。患者さんは元気なお子さんのいる,専業主婦をしている30歳の女性です。受診の経緯を示します(スライド1)。
会 場:そんなに派手な大量の出血だったんですか。
担当医:いや,そうでもなかったみたいです。患者さんも笑っていました。昔から,採血をするときや胃腸炎になったときにも「倒れる」と言っていました。
会 場:血管迷走神経反応(vasovagal reaction:VVR)ということですか。
担当医:そうだと思います。
会 場:そうすると今回のエピソードも……。
担当医:救急外来では脳のCTも撮られていて,これは正常でした。また,痙攣様の動きをすることもVVRでは知られています。当日朝からかぜ気味だったということもあったと思います。ですので……。
司 会:おっと,それだと終わってしまいますので進めさせてもらいます。
担当医:はい。身体所見と検査所見です(スライド2・3)。
司 会:何かご質問は?
会 場:CRPの上昇は,かぜということでしょうか。
担当医:そう考えられていたようです。
司 会:ほかにありませんか。では経過を説明して下さい。
担当医:この経緯でのアセスメントとしては,やはりVVRで矛盾ないと考えまして,我々としても診療を終結してよいと考えました。ところが……。
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