治療の基本は,てんかんや発作型の正確な診断である
新薬が増えており,各薬剤のプロフィール,薬剤相互作用を熟知する
薬物治療が奏効しない場合は,外科治療を積極的に考慮する
診断・治療に際しては,一次,二次,三次のてんかん医療機関が積極的に連携する
相次ぐ新規抗てんかん薬の登場により治療の選択肢が増えたことは喜ばしい。発作抑制効果の最大化という点でも,副作用の最小化という点でも,期待値は高くなった。てんかんのタイプや発作型が異なり,また様々な特性を持つ患者に,効率的な薬物治療をいかにうまく行うか,今まで以上にスキルが求められている。
現在わが国で使用できる抗てんかん薬は24種類ある。かねてよりドラッグラグが問題となっていたが, 2006年以降,ガバペンチン(ガバペン1397904493 ),トピラマート(トピナ1397904493 ),ラモトリギン(ラミクタール1397904493 ),レベチラセタム(イーケプラ1397904493 ),ルフィナミド(イノベロン1397904493 ),スチリペントール(ディアコミット1397904493 )の6剤が認可されたことで,ようやく世界標準の薬物治療が可能になった。本稿ではこれらの薬剤を新規抗てんかん薬,それ以前の薬剤を従来の薬剤と表記する。
ガバペンチン,トピラマート,ラモトリギン,レベチラセタムはいずれも部分発作に適応を持つが,ラモトリギンとレベチラセタムについては全般発作にも適応がある。ルフィナミドはレノックス・ガストー症候群,スチリペントールはドラベ症候群に適応がある。ラモトリギン,レベチラセタムは単剤で使用できるが,他の4剤は他の抗てんかん薬との併用とされている。
図1は当院における2006〜14年の薬剤使用件数の推移である。最多のバルプロ酸は不動だが,フェニトインやカルバマゼピンなど従来の代表的な薬剤の使用件数が減少傾向にある一方,ラモトリギンとレベチラセタムの使用件数が増加している。
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