医師主導臨床試験に関する問題が相次ぐ中、8日に札幌市で開かれた第48回糖尿病学の進歩で、特別企画「臨床論文を読み解くための技術」が行われ、わが国の臨床試験の問題点と課題を巡り議論が展開された。
その中で、桑島巖氏(J-CLEAR〔臨床研究適正評価教育機構〕理事長)は、日本の医師主導臨床試験は医療現場の意図的判断が入りやすいPROBE法が多く、良い結果が出やすいこと、見かけは医師主導型であるが、実際は新薬や医療機器の販売促進のための試験“Seeding trial(種まき試験)”が横行しているなどの問題点を指摘。
また、名郷直樹氏(武蔵国分寺公園クリニック院長)は、非糖尿病専門医の立場から、「糖尿病患者を診る多くの医師は大規模臨床試験の結果を重視し、その結果を基に患者の指導が厳しくなりがち。果たして試験結果に見合う治療効果があるのか、臨床論文を読み直してみる必要がある」などと、日常診療の視点から臨床論文を読み解く必要性を強調した。