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小児IBDの特徴と治療【VEO-IBDの病因・病像が注目されており,外科治療ではチーム力が問われる】

No.4867 (2017年08月05日発行) P.61

齋藤 武 (千葉大学小児外科准教授)

吉田英生 (千葉大学小児外科教授)

登録日: 2017-08-02

最終更新日: 2017-08-01

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小児炎症性腸疾患(IBD)は,①重症化しやすく罹患部位が広範,②遺伝学的素因や免疫異常を有することが多い,③病勢やステロイド使用に伴う成長障害に留意,④身体・精神的に未熟でありトータルケアを要する,⑤検査・処置・手術に際し小児固有の配慮を要する,といった特徴を持つ。近年,6歳未満発症のvery early onset(VEO)-IBDが注目されており,その疫学や病態は従来の概念と相当異なる1)

小児潰瘍性大腸炎(UC)手術の絶対的適応は成人同様で,相対的適応として難治性,成長障害,QOL低下がある。術式は大腸全摘・回腸囊肛門吻合で,腹腔鏡,stoma,pouchの有無などが加わる。小児UCの病態は不透明な場合があり筆者らは一律にstomaを置くが,VEO-UCでは高率にhigh output stomaを生じる。これらは静脈栄養を含む濃厚な栄養管理を要し,小児外科専門施設での管理が推奨される。小児クローン病(CD)治療の第一選択は,栄養療法である。昨今,生物学的製剤が登場しCD治療は様変わりしたが,同製剤の小児での安全性は未確立である。手術の原則は初回手術時期を遅らせ,術時は腸切除を最小限にとどめることにある。一方,積極的に線維性狭窄や瘻孔病変を切除し,術後早期から生物学的製剤を導入する治療(リセット療法)も提唱されている。

小児IBDの担当医師は内科・外科治療の適応と限界に精通し,各人の病態に合った最適な選択肢を,最適なタイミングで提示する必要がある。

【文献】

1) Muise AM, et al:Gastroenterology. 2012;143 (2):285-8.

【解説】

齋藤 武*1,吉田英生*2 *1千葉大学小児外科准教授 *2同教授

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