3日に行われた内閣改造で加藤勝信新厚生労働相が就任したことを受け、日本医師会の横倉義武会長は同日の会見で、「国民皆保険維持と適切な医療提供に資する財源確保のバランスをよく考えられる方が大臣になった」と述べ、新大臣のリーダーシップに期待を示した。
横倉会長は新内閣との向き合い方として、「これまでも国民の安全な医療に資する政策か、公的医療保険による国民皆保険を堅持できる政策かを判断基準にしてきたが、今後も政府の政策に対し、あるべき姿の方向性を示しながら是々非々の態度で臨む」との方針を表明。
加藤新厚労相はこれまで官房副長官、働き方改革担当相、診療報酬引上げを求めて活動する自民党の議員連盟「国民医療を守る議員の会」事務局長を務めてきた。横倉会長は以前より社会保障や医療について意見交換をする場があったことを紹介し、「我々と意見交換が十分にできる大臣と理解している。一方、(大臣が官僚の時に)旧大蔵省に所属していたので、国の財政についても考えられている」と評価。その上で、「いま我々が直面している課題は、医療・介護を国民に提供する財政的基盤を確保すること、同時に国民皆保険体制を次の世代まで堅持するという、財政的に相反する課題があり、これをバランスよくしなければならない」と指摘。「そういう意味で、しっかりした仕事をしていただけると思う」と期待した。