株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

国民の過半数が「医療が適正利用されていない」と意識【日医総研調査】

No.4870 (2017年08月26日発行) P.24

登録日: 2017-08-18

最終更新日: 2017-08-23

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

日本医師会総合政策研究機構(日医総研)はこのほど、「日本の医療に関する意識調査」の結果を公表した。調査では、過剰受診など医療が適正利用されていないという意識を持つ国民が半数以上であることが明らかになった。日医総研は、限られた医療資源の適正利用が重要だという意識を国民全体に広げると同時に、「医療者側の意識も高めていくことが重要」と指摘している。

調査は4月7~16日、無作為抽出した全国の20歳以上の男女4000人を対象に、面接員が個別聴取する方式で実施(1200人回収、有効回収率30.0%)。調査は2002年から継続的に調査しており、今回で6回目。

「国民は医療を必要以上に利用しているか」との質問では、国民の52.5%が「そう思う」と答え、年齢・地域による差はほとんどみられなかった。

「医療を適正に利用するために何が重要か」(複数回答)との問いで最も多かった回答は「自身の健康管理を行う」(70.0%)で、次いで「救急車を安易に呼ばない」(59.5%)、「かかりつけ医を持つ」(41.9%)、「重複受診しない」(38.1%)と続いた。

一方、「医療や介護に関する必要な情報が十分あるか」との問いでは、39.3%が「医療の情報がない」、42.8%は「介護の情報がない」と答えた。医療の情報については、特に大都市の住民で「不足」と感じる人が多く、その割合は43.5%に上った。日医総研は「大都市には医療機関の数や種類が多く、選択肢が多いことが背景にある」と分析している。

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

関連物件情報

もっと見る

page top