中央社会保険医療協議会の費用対効果評価専門部会は8月23日、「試行的導入」(用語解説)は10月をメド、制度化は年内に骨子の取りまとめを行う方針を示した。しかし委員からは課題が山積していることから、議論のスピードアップを求める声が相次いだ。
同日の会合では厚生労働省が、総合的評価(アプレイザル)に活用する国民の「支払い意思額」(仮称)調査への対応案を提示。調査前に医療保険制度に関する説明を行うなど、回答者が調査内容を十分に理解した上で回答できるような環境を整えた上で、質問の方向性を、①公的医療保険による負担、②健康上の問題を抱える人は本人ではなく他人、③「死が迫っている」以外にもさまざまな健康状態を設定─などと整理。また調査は1回限りとはせず、「制度化後の状況も踏まえながら必要に応じて実施したい」とした。
支払側は「走りながら修正していくしかない」として厚労省案を容認したが、診療側の松本純一委員(日本医師会)は「だんだん質問がややこしくなっている印象を受ける。これで求めている調査ができるのか疑問だ」と問題視。こうした意見を踏まえ厚労省は、次回会合で調査票案を提示する方針を示した。その後10月の取りまとめを目指し、試行的導入でアプレイザルに支払い意思額を反映させることの是非を含め、制度化を見据えた具体的な検討が行われる。