中央社会保険医療協議会総会(田辺国昭会長)は11日、「医療安全対策」「小児・周産期」などをテーマに議論した。会合では厚生労働省が「医療安全対策加算」の要件に専従医師等の配置を加える方針を提示したが、診療側は強く反発した。
医療安全対策の強化としては、特定機能病院の承認要件に医療安全部門への専従の医師、薬剤師、看護師の配置が原則義務化されている。診療報酬では、研修を受けた「専従の薬剤師、看護師等」の配置などの施設基準を満たした場合、「医療安全対策加算1」を算定。「専任」の場合、同加算2を算定する。
こうした状況を踏まえ厚労省は、同加算の施設基準の見直しを提案。医療安全管理部門に専従医師を配置した場合の評価について充実する方針を示した。
診療側委員は厚労省案に強く反発。松本吉郎委員(日本医師会)は医療安全対策を強化する方向性には理解を示した上で、「本当に専従医師が必要なのかデータを出してほしい。限られた医療資源の中で医師を活用していくには慎重な検討が必要」と安易な見直しを牽制した。
猪口雄二委員(全日本病院協会)は、「現段階で専従医師を評価するとなると多くの病院がそれを取りにいく。医師不足の中、専従で医師や薬剤師、看護師などを配置するとなれば人件費が高騰する」と病院経営への影響を懸念。その上で「専従要件そのものを見直す段階に来ているのではないか。今は100%その業務に専念しなくてはいけない。少しでも兼任できる体制にすることが医療の効率化などを可能にすると思う」と専従要件の定義の見直しを求めた。
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