株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

事務作業の軽減求める声、一律の時間規制には慎重論【若手医師ヒアリング】

No.4879 (2017年10月28日発行) P.14

登録日: 2017-10-24

最終更新日: 2017-10-26

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」(岩村正彦座長)は23日、医師に対する労働時間規制などに関して、若手医師からヒアリングを行った。

救命救急センターに勤務する後期研修医の赤星昴己氏(東京医歯大)は「病院の経営や医師数に余裕がない現状で労働時間の上限規制を設けても、規制は有名無実化する。かえって長時間労働や無給労働を誘発しかねない」と指摘。勤務環境改善策として、事務作業に対するアシスタントの導入や、自己犠牲による奉仕や過重労働を「美談」とする“文化”の改善などを求めた。

臨床、教育、病院管理などに関わる猪俣武範構成員(順天堂大)は、一律的な労働時間規制が導入された場合、「自己研鑽まで規制され、研究・教育の時間が減り、医療の発展の停滞を招く」と懸念。「医師しかできない仕事は減らせない」として、単純労働である事務作業を他職種に業務移管すべきとした。

キャリア形成支援に携わる片岡仁美氏(岡山大)は、女性医師の復職や就業継続に関して「柔軟な働き方を選択できることは必須条件。画一的なルールの適用は就業を困難にすることもある」とし、育児支援については「保育所などのハード面だけでなく、職場、患者の理解などのソフト面も重要」と述べた。

心臓血管外科医の畝大氏(大和成和病院)は、手術、診察、自己研鑽などの“将来につながる”労働については「減らせないし、減らす必要もない」としつつ、書類業務などの“将来につながらない”労働を減らすべきと訴えた。


関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

関連物件情報

もっと見る

page top