厚生労働省は8日の中央社会保険医療協議会総会で、「第21回医療経済実態調査」の結果を報告した。診療所の損益率は2015年度から16年度にかけて横ばいとなった一方で、病院では給与費などの伸びが医業収益の増収を上回り、赤字が拡大していることが明らかになった。
今回の医療経済実態調査(用語解説)は、病院2581施設(回答率56.2%)、診療所3220施設(同54.2%)などを対象に実施。2016年4月~17年3月に終了した事業年度(16年度)と15年4月~16年3月に終了した事業年度(15年度)の2期間を調査した。
2016年度の一般診療所全体の損益率(表)は13.8%(対15年度比0.2ポイント減)で、厚労省は「ほぼ横ばい」とみている。「入院診療収益あり」の診療所全体では介護収益が0.3%増えたものの、医業収益が0.7%減少し、損益率は8.2%(同0.5ポイント減)。「入院診療収益なし」の診療所全体では、介護収益(4.1%増)が伸びた一方で、給与費(1.8%増)などの費用も伸び、損益率は14.8%(同0.1ポイント減)となった。
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