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切除不能局所進行胆道癌に対するdown-sizing chemotherapyの適応と成績 【当初切除困難と診断された局所進行胆道癌において化学療法の奏効した症例では根治切除が可能となる症例があり集学的治療のひとつとして有用】

No.4886 (2017年12月16日発行) P.61

坂田 純 (新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器・一般外科学分野講師)

若井俊文 (新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器・一般外科学分野教授)

加藤 厚 (国際医療福祉大学三田病院消化器センター/同大学医学部消化器外科学教授)

登録日: 2017-12-17

最終更新日: 2017-12-12

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  • 切除不能局所進行胆道癌に対するdown-sizing chemotherapyの適応と成績についてご教示下さい。
    国際医療福祉大学・加藤 厚先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    坂田 純  新潟大学大学院医歯学総合研究科 消化器・一般外科学分野講師

    若井俊文  新潟大学大学院医歯学総合研究科 消化器・一般外科学分野教授



    【回答】

    胆道癌は,外科切除が唯一の根治的治療法ですが,早期診断が困難であるため進行癌の状態で発見されることも多く,根治切除が可能な症例は限られています。切除不能進行胆道癌症例においては,ゲムシタビンとシスプラチンの併用療法が標準治療として施行されていますが,エビデンスのある術前化学療法の報告は乏しいです。切除不能局所進行胆道癌に化学療法を施行した症例のうち,当初,切除不能と判断した症例でも,腫瘍の縮小(downsize)により血管浸潤所見の改善などを認めた結果,根治切除すなわちconversion surgeryが可能となった症例を報告しました1)2)

    近年,high volume centerを中心に局所進行胆道癌の血管浸潤症例に対しても血管合併切除再建を施行することで,根治切除を目的とした拡大手術が行われるようになり,このような背景から切除不能の定義(surgical feasibility)が施設間で異なるという問題が存在します。私たちの施設では,再建が不可能な血管浸潤のほか,切除不可能な胆管浸潤,肝予備能から見た肝切除限界などの因子を検討して切除不能の判断を行っており,肝胆道を専門とする外科医が外科切除の適応を十分に検討することが必要と考えています。その上で,切除が困難と判断された症例に対しては化学療法を導入し,定期的な画像診断により切除の可否について継続的に検討することが重要となります。

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