掌蹠の角化性病変,躯幹・四肢は乾癬様皮疹であったが,耳介の皮疹,鼻翼周囲にも鱗屑を伴う特徴的皮疹が観察された
本症例は外用加療やエトレチナート内服による治療に抵抗性であったが,肺小細胞癌に対する治療で皮疹が軽快し,その後は腫瘍の再燃と皮疹が緩やかに連動した
海外報告例では咽頭・喉頭の扁平上皮癌の合併が大多数を占めるが,わが国では腺癌の報告も多く,全身の精査が重要である
【家族歴】 特記事項なし
【既往歴】 珪肺
【現病歴】 X年9月から瘙痒を伴わない爪甲肥厚,足底の角化が出現。近医皮膚科でステロイド軟膏と活性型ビタミンD3軟膏の外用治療を行うも改善せず。手掌にも角化を生じたためエトレチナート30mg/日内服するも皮疹の改善傾向は乏しく,翌年3月に当院を紹介受診。
【経過】 肺小細胞癌と診断後,化学療法を実施し,腫瘍の縮小と連動して皮疹が消褪したが,再発を繰り返した。小細胞癌の合併は少数だが,腺癌が共存していた可能性を推測している。
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