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「ゆるキャラ」顛末記[炉辺閑話]

No.4889 (2018年01月06日発行) P.123

今野弘之 (浜松医科大学学長)

登録日: 2018-01-08

最終更新日: 2017-12-21

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わが国立大学法人浜松医科大学は、創立43年の比較的新しい単科大学ですが、職員の結束と地元の皆様のご支援のお陰で、教育、研究、診療に加え、本学の強みである産学連携や光医工学を中心としたいろいろな事業を展開し、運営は順調と言えます。

昨年、定例のランチミーティングで「ゆるキャラを創りませんか」という提案があり、早速調べてみると既に多くの大学がマスコットキャラクターを持っています。たとえば、岩手大学の「がんちゃん」、鹿児島大学の「さっつん」、おとなり静岡大学の「しずっぴー」など、地域にちなんだ名前がついていました。

浜松市のゆるキャラは全国1位に輝いたこともある、「福」市長「家康くん」です。市内の至るところにポスター等が貼られており、浜松では「有名人」です。附属病院でのイベントにも登場して頂きましたが、子ども達ばかりではなく大人にも大変な人気で、握手したり、一緒に写真を撮ったりと、順番待ち状態でした。大学基金の開設を決め、寄付を募りはじめたこともあり、地域の皆さんに親しみを感じてもらうために、本学のゆるキャラを事業として進めることにしました。職員・学生を対象に名称とデザインを公募し、一次選考・決選投票と結構な盛り上がりで、最終的に本学の所在地にちなんだ「はんだやまっぴー」に決まりました。

特許事務所に依頼してすべてがオリジナルであることを確認し、いよいよ待望の着ぐるみを、と思ったところ、かなり高額になることが判明しました。幸いにも、昨年度の卒業生がプレゼントしてくれることになり、卒業式で初のお披露目。贈るほうも贈られるほうも大喜びで、あちこちで記念撮影となり、着ぐるみの中の女性職員は疲労困憊でした。その後もいろいろなイベントに登場していますが、どこでも大変な人気です。普段は管理棟の玄関に展示していますが、最近「中に入ってみたいのですが」という職員が増加中で、いろいろな点で「ゆるキャラ」作戦は大成功でした。

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