学長に就任して既に残り1年と6カ月を残すのみとなりました。学長就任が教授退任に重なりましたので、既に大学生活を十二分に満喫しております。と言うのはご推察の通り強がりで、少々大学に長く居すぎたのでは、との思いを強くしております。しかし、体力・知力が許せば決められた任期をしっかり務めて、次の方にバトンをお渡しするのが常法でありましょう。
家内によれば、体力はまだしも「知力」には若干問題があるので、とのことです。同じことを何遍か繰り返し確認する癖、傾向を以てそう判じているようであります。しかし、私から見れば家内もまさにそうであります。似たもの夫婦で、互いに心配し合っておりますが、同居の娘から見ると、両親の老化には「甲乙」付け難いとのことであります。
さて、本学に奉職して最も気に入ったことは「職場と家庭」が僅か6分で行き来できることであります。以前に本欄で小職が家で寝るのは年間数日で、それ以外は学内の教授室で常に泊まっていると書いたことがあります。それを読まれた先生方からお便りを頂きましたが、小職がきわめて勤勉とかいうことでもありません。
当初、家族は千葉市に住んでおり、まず息子が本学に入学し、次いで娘が長崎大学医学部に入学し、その卒業を待って千葉市の家を処分し、現在の家に越して参りました。本学は家から歩いても5分のところにありますが、愛車のために2台の車を交互に使っております。この生活もあと1年半で終わります。寂しい気もしますが、むしろ達成感のほうが強いような気がいたします。