2018年度診療報酬改定について議論している中央社会保険医療協議会は26日に総会を開いた。意見の対立が続いていた入院基本料の見直しに関して、現行の7対1一般病棟相当の「重症度、医療・看護必要度」の該当患者割合は、現行よりも引き上げて30%とすることに決まった。
入院基本料に関してはこれまでの議論で、7対1一般病棟が将来のニーズの変化に円滑かつ弾力的に対応していくことが可能となるよう、7対1一般病棟と10対1一般病棟との間に中間的な評価を2段階設け、新たに「急性期一般入院料」として1~4の4段階とすることが合意されていた。
しかし、現行の7対1一般病棟相当(急性期一般入院料1)の「重症度、医療・看護必要度」の該当患者割合については両側の意見が対立。診療側は、医療現場の実態から現行の25%はすでに高い水準であることや、急性期の医療機関が赤字傾向であること、前回改定で必要度を見直したことを踏まえ、「現行の25%は維持すべき」と主張。一方支払側は「30%以上に引上げるべき」と主張していた。
両側の意見は26日にも歩み寄りはみられず、厚労省も「意見の隔たりが大きい」として、対応案の提示は困難との考えを示したため、最終的に公益委員が裁定案を提示することとなった。
公益委員は、「急性期一般入院料1の該当患者割合を現行の25%で維持したままでは、7対1一般病棟の医療ニーズに応じた円滑かつ弾力的な対応は進まないおそれがある」と指摘。その上で「急性期一般入院料1の基準値は現行の25%よりも引き上げることが妥当」と判断。
具体的には、急性期一般入院料1の該当患者割合は30%、同2は29%、同3は28%、同4は27%と提案。さらに、医療機関の経営に過大な影響が出ないよう、必要な経過措置を設けることを提案し、これを両側が了承した。
なお、18年度改定で「重症度、医療・看護必要度」の定義が見直されることとなっており、現行の25%は定義見直し後には約28%となる。この日の総会で了承された割合は、見直し後の定義による患者割合。