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膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)手術適応と成績:分枝型IPMNの手術適応と至適術式【膵実質浸潤を認めなければ,臓器温存手術にて良好な予後が期待できる】

No.4895 (2018年02月17日発行) P.49

浅野之夫 (藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院消化器外科講師)

守瀬善一 (藤田保健衛生大学総合消化器外科教授)

堀口明彦 (藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院消化器外科教授)

登録日: 2018-02-16

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1982年,粘液産生膵癌が提唱された1)。これが現在の膵管内乳頭粘液性腫瘍(intra-papillary mucinous neoplasm:IPMN)である。2006年には「IP MN/MCN国際診療ガイドライン」(GL2006)が発表され2),その後12年に初めて改訂が行われた(G L2012)3)。GL2012への変更点は,①病理診断における型分類,②悪性の定義,③切除適応基準と経過観察方法,などである。特に3番目は臨床上重要であり,悪性を強く示唆する所見であるhigh-risk stigmata(HRS)と悪性の疑いを示す所見であるworrisome features(WF)を新たに規定している。

当教室では,05〜16年に手術を施行した分枝型IPMN 62例に対して,適応と至適術式を検討した。病理結果をもとに術前画像を解析すると,造影される囊胞内結節を有する病変は悪性所見を呈するものが有意に多かった。しかし,膵実質浸潤を認めなければ,臓器温存手術にて良好な予後が期待できた。IPMNに関する研究報告はさらに詳細となっており,より明確なエビデンスに基づいて改訂されていくと思われる。

【文献】

1) 大橋計彦, 他:Prog Dig Endosc 消内視鏡の進歩. 1982;20:348-51.

2)Tanaka M, et al:Pancreatology. 2006;6(1-2):17-32.

3) Tanaka M, et al:Pancreatology. 2012;12(3):183-97.

【解説】

浅野之夫*1,守瀬善一*2,堀口明彦*3 

*1藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院消化器外科講師 *2藤田保健衛生大学総合消化器外科教授  *3藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院消化器外科教授

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