日本医師会の羽鳥裕常任理事は7日の会見で、終末期患者の意思決定支援プロセスであるアドバンス・ケア・プランニング(ACP)について医療関係者への周知に向けたパンフレットを公表した。
日医生命倫理懇談会は昨年11月の報告書で、ACP普及に向け、地域包括ケアシステムの中核となるかかりつけ医の役割が重要だと指摘。これを受け日医は、かかりつけ医への終末期医療に対する意識向上を目的として、パンフレットを作成した。
パンフレットでは、ACPの目的を「(患者の)尊厳ある生き方を実現すること」と明記。患者の意思が最も重要であることや、繰り返し話し合い、患者の意思を共有する必要性を強調している。また、患者の意思が確認できなくなったとき、それまでのACPを基に患者の意思の推測が可能だと指摘。ACPの実施にあたってはかかりつけ医を中心に多職種が協働し、地域で支えるという視点が重要だとしている。
羽鳥氏は、パンフレットの周知徹底について「(日医会員に配送する)日医雑誌4月号に同梱する。また、都道府県医師会に対し、パンフレットの積極的な活用を呼び掛ける」としている。さらに、日医ホームページに掲載するほか、5月に予定されている日医かかりつけ医機能研修でも配布する方針。