厚生労働省は14日、自治体の障害福祉施策担当者を集めた会議で、2018年度から実施する「発達障害専門医療ネットワーク構築事業」の概要を示した。最長6カ月以上に及ぶ発達障害の初診待ちを改善するため、かかりつけ医を含む地域全体の対応能力の底上げを図る。
同事業では、発達障害に関して専門的な検査・診断・治療・リハビリテーション等を実施している医療機関を、各都道府県・指定都市が拠点医療機関に指定。予算の範囲内であれば、2カ所以上の選定も可能とする。
拠点医療機関では、地域の医療機関の医師や看護師等を受け入れ、発達障害の検査やリハビリを含む診療への陪席を実施し、発達障害診療に対応できる人材を育成する。逆に地域の医療機関に専門医が出向き、助言・指導等の支援も行う。
受診を希望する当事者・家族に対しては、地域の診療可能な医療機関の情報を提供。市町村、保育所、学校、障害福祉サービス事業所には、適切な医療機関を紹介する。さらに、拠点医療機関を中心に、地域の医療機関による会議体を構成し、定期的な意見交換や研修等を実施する。