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(3)多機関・多職種連携の実際 [特集:アルコール使用障害と早期対応]

No.4812 (2016年07月16日発行) P.40

猪野亜朗 (かすみがうらクリニック副院長)

登録日: 2016-07-16

最終更新日: 2016-11-22

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  • アルコールによる身体疾患は,アルコール依存症などの精神疾患や自殺や飲酒運転などのアルコール関連問題を併存させることが多い

    アルコールによる心身の疾患やアルコール関連の問題は,多機関・多職種がバラバラに関与している現状にあるが,多機関・多職種は回復に向けての連携が必要である

    1. アルコール問題における多機関・多職種との連携の重要性

    アルコール健康障害対策基本法1)が,2014年6月より施行された。
    今後,医療関係者は「良質な医療2)」を提供するために,「連携して対応する2)」ことが求められる。
    確かに,アルコールの関与する患者は1人の医師だけでの対応は困難なことが多く,多機関・多職種のスタッフが連携して対応する必要がある。

    1 多機関・多職種の連携が必要な理由

    アルコールは,心身に多くの障害を起こすだけでなく,アルコールに関連する問題も多く生じる。その主要なものを挙げると,表1の通りである。これらの問題に対して多くの機関とその中の多くの職種が関与している。身体だけ治しても,未解決の問題があると,それに影響されて不適切な飲酒が続き,身体も良くならないため,多機関・多職種の連携が必要となる。

    2 アルコール健康障害と関連問題の特徴

    アルコール健康障害と関連問題には表2のような「共通した特徴」がある。このような特徴を念頭に置きつつ,多くの問題の同時の解決をめざした連携対処が必要である。

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