薬剤耐性(AMR)関連の臨床疫学業務や教育支援事業を行っている国立国際医療研究センター病院のAMR臨床リファレンスセンターが3日、都道府県別の抗菌薬使用量データをホームページで初めて公表した。
今回公表されたのは、2013~16年のヒト用抗菌薬販売量から集計した使用量。種類別、投与経路別に経年比較ができるようになっている。使用量は人口1000人、1日当たりの販売量をDefined Daily Dose(DDD)で除した数値(DID)で示されている。
2016年の抗菌薬全体の使用量(DID)の全国平均は14.65。最も多かったのは石川(18.69)で、次いで徳島(17.94)、大分(17.54)、東京(16.81)となっている。最も少なかったのは岩手(11.20)で、山形(11.27)、青森(12.05)、千葉(12.37)─と続く。最多の石川の使用量を種類別にみると、経口セファロスポリン系が2位の徳島に1.5ポイント近い差をつけて突出しており、マクロライド系も大分に次いで2位だが、フルオロキノロン系は上位に入っていない。
全体の使用量を2013年と16年で比較すると、全国的には0.30ポイント減少していた。増加幅、減少幅が最大だったのは、それぞれ石川(2.82ポイント増)、徳島(1.60ポイント減)で、都道府県間で差が激しい。