日本腎臓学会はこのほど、かかりつけ医として診療・生活指導を行っている腎疾患患者を腎臓専門医・専門医療機関に紹介する際の参考となる基準を学会ホームページに掲載した。
紹介基準は、同学会が日本医師会監修の下で作成したもの。原疾患、GFR(糸球体濾過量)区分、蛋白質区分の組合せから、生活指導・診療継続とするか専門医に紹介するか判断できるようになっている。
専門医・専門医療機関への紹介目的については、①血尿、蛋白尿、腎機能低下の原因精査、②進展抑制目的の治療強化(治療抵抗性の蛋白尿〈顕性アルブミン尿〉、腎機能低下、高血圧治療の見直し、二次性高血圧の鑑別など)、③保存期腎不全の管理、腎代替療法の導入─と位置づけている。
■原疾患に糖尿病あれば糖尿病専門医にも紹介
紹介基準に当てはまり、原疾患に糖尿病がある場合は、さらに糖尿病専門医への紹介も考慮するよう求めている。また、糖尿病治療方針の決定に専門的知識を要する場合や糖尿病合併症を発症しているハイリスク者(血糖・血圧・脂質・体重等の難治例)、合併症を既に発症している者についても、糖尿病専門医への紹介を考慮するよう推奨している。