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エビデンスをいかに実臨床に活かすのか CKD・AKI診療 ガイドラインの内側と外側【電子版付】 こんなときどう考える?どうする?

定価:6,380円
(本体5,800円+税)

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編: 成田 一衛(新潟大学医学部医学科 腎・膠原病内科学教授)
判型: B5判
頁数: 316頁
装丁: 2色部分カラー
発行日: 2020年03月15日
ISBN: 978-4-7849-5769-9
版数: 第1版
付録: 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます)

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◆「ガイドライン」をまず理解することが大切。しかしそれだけでは実臨床ではうまくいかないことも事実です。合併症があってガイドライン通りに対応できない……患者さんが治療に抵抗を示している……。本書ではそんな医師の悩みにお答えします!
◆「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018」「AKI(急性腎障害)診療ガイドライン2016」など、まずは「基本」として主要ガイドラインを解説。そして「応用」として「実臨床で経験したガイドライン通りにはいかなかった症例」を提示。実際に専門医がどのように考え、診療をしているのかがわかる1冊となりました。
◆基本をしっかりと押さえながらも、個々の患者さんに対して「どう考える?どうする?」ができるようになります!

診療科: 内科 腎臓内科

目次

第1章 CKD
1 ネフローゼ症候群:難治症例
2 CKD患者における腎臓リハビリテーション
3 CKD患者におけるワクチン接種
4 CKD患者における蛋白質制限
5 CKD患者におけるカリウム管理
6 CKDと血圧:目標血圧値
7 腎硬化症での降圧目標
8 腎性貧血における抵抗性の患者
9 腎性貧血の透析患者におけるヘモグロビン(Hb)目標値
10 CKD患者における骨粗鬆症
11 CKD患者における高尿酸血症
12 CKD患者に対する脂質低下療法
13 肥満・メタボリックシンドロームを伴うCKD患者の運動療法
14 CKD患者における妊娠
15 妊娠しているCKD患者への降圧薬使用
16 小児CKDと運動療法
17 小児CKDと蛋白質制限
18 小児CKDと降圧療法
19 高齢者CKDと運動療法
20 高齢者CKDと腎生検
21 高齢者CKDと血糖管理
22 透析導入時のCVDスクリーニング
23 透析の見合わせ,中止について
24 腎移植ドナーのフォローアップ
25 先行的腎移植(PEKT)
26 アセトアミノフェンの使い方
27 抗ウイルス薬の使い方
28 ヨード造影剤の使い方
29 抗がん薬の使い方
30 糖尿病性腎臓病(DKD)とは
31 糖尿病性腎臓病(DKD):糖尿病患者へのループ利尿薬
32 IgA腎症とは
33 IgA腎症:口蓋扁桃摘出術(扁摘)について
34 IgA腎症:難治症例
35 ネフローゼ症候群
36 ネフローゼ症候群:RA系阻害薬
37 ネフローゼ症候群:難治症例
38 多発性囊胞腎(PKD)とは
39 多発性囊胞腎(PKD):脳動脈瘤のスクリーニング
40 多発性囊胞腎(PKD):トルバプタンの適応
41 ADPKD患者における囊胞感染症
42 急速進行性腎炎症候群(RPGN)とは
43 急速進行性腎炎症候群(RPGN):血清ANCA,抗GBM抗体の測定

第2章 AKI
1 AKIとは
2 AKIの診断
3 AKIにおけるリスク評価
4 AKIに対する対応
5 AKIのバイオマーカー
6 AKIの保存治療
7 血液浄化療法
8 AKIの長期予後とフォローアップ
9 小児AKI

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序文

EBM(Evidence-based medicine),すなわち“根拠に基づいた医療”という概念が一般的になり,すでに20年近く経過している。腎臓病の分野でも,今までに日本腎臓学会,日本小児腎臓病学会,厚生労働省研究班,日本医療研究開発機構(AMED)等々の研究事業により,エビデンスに基づく診療ガイドラインが数多く出版されていて,様々な場面で日常臨床や教育・啓発に利用されている。
しかし,実臨床の場面においては,ガイドラインに記載されている内容だけでは対応に困ることも多い。人口の高齢化や治療薬の進歩等は,疾患の多重性や複雑性を高めるため,ガイドラインの記載通りには診療できないようなケースが増えている。診療ガイドラインに取り入れられたエビデンスをいかに実臨床に活かすのか,専門医はどのように考え,どのようにしているのか?既存の成書では得られない情報も多い。
そこで本書は,日本腎臓学会から発表された最新の2つのガイドライン(「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018」と「AKI(急性腎障害)診療ガイドライン2016」)をメインの題材として、特にエビデンスレベルと推奨度がC2,Cなし,Dの項目などを中心に,専門医がどのように考え,診療しているのかを解説することを目的として企画した。また関連する他のガイドラインとして,腎臓リハビリテーションガイドライン,厚生労働省難病班が作成した診療ガイドライン(IgA腎症,ネフローゼ症候群,多発性嚢胞腎,急速進行性腎炎症候群),「腎疾患患者の妊娠:診療ガイドライン」,「薬剤性腎障害診療ガイドライン」等々,多くの診療指針やガイドラインが発表されているため,関連・重複するものは,それぞれの該当項目の中で概要や使い分けについても述べて頂いた。

全体の構成は下記の2つのタイプの項に大別した。
タイプ1総論:ガイドラインの全般的な解説,概説,要約,ガイドラインの目的,対象,重要な点,強調すべき点,課題,今後の展望について概説した。
タイプ2各論:個々のCQあるいは項目に関する解説を目的とし,要約,基本:CQの解説(CQおよび推奨文,エビデンスレベル・推奨度に関する解説),応用:症例の提示と解説(CQに当てはまらない症例,治療に抵抗性の症例,合併症のため治療できない症例などに,ガイドラインを応用する場合に注意すべき点,その考え方),課題,今後の展望について解説した。

今,集まった原稿を拝見しながらこの序文を書いている。それぞれの執筆者には,いずれも本書の意図を理解して頂き,難しい執筆依頼の内容に対して予想以上に適切に応えて頂くことができた。いささか自画自賛になってしまうが,通常の教科書やレビューを集めた著書では得られない,貴重な情報が満載されていると思う。すべての執筆者の先生方,企画段階からお力添え頂いた日本医事新報社の村上様はじめ,本書の編集に携わって頂いた皆様に改めて感謝し,また本書が読者の皆様の臨床や教育に僅かでも役立つことを祈念して,序文とする。

成田一衛

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正誤情報

下記の箇所に誤りがございました。謹んでお詫びし訂正いたします。

このたびは『CKD・AKI診療 ガイドラインの内側と外側』をご購入いただきまして誠にありがとうございました。
本書に下記の変更がございますので,訂正するとともに,謹んでお詫び申し上げます。

64頁 5行目

最終的に尿素を合成するという点では同じであるが,

最終的に尿酸を合成するという点では同じであるが,

 

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