日本医療労働組合連合会(医労連)は11日、医療・介護・福祉職場で働く青年職員に対するハラスメントについての調査結果を公表した。調査では、3人に1人がハラスメントを受けており、そのうち半数はハラスメントをきっかけに退職を考えている実態が明らかになった。
調査は昨年3~9月、医労連に加盟する労働組合がある施設に調査票を送付。7225人が回答した。回答者の職種は看護職が42.8%を占め、リハ職が13.5%、介護職が11.3%。医師は0.8%だった。今調査は2014年に続く3回目。
調査結果によると、過去3年間のセクシャルハラスメントの経験者は12.0%。相手は「患者・家族」が49.7%と圧倒的に多く、「他職種」(16.4%)、「先輩」(13.7%)、「上司(課長・師長など)」(10.1%)と続いた。パワーハラスメントの経験者は26.6%。看護職で特に高く33.4%に上る。相手は「上司(課長・師長など)」が48.6%で最多。次いで、「先輩」(32.9%)、「他職種」(18.8%)だった。マタニティハラスメントの経験者は2.5%。医労連は、期間や条件が限定的なことを踏まえると、決して少なくないと指摘している。相手は「上司」が55.3%を占め、「先輩」が24.0%だった。
全体でいずれかのハラスメントを受けた経験がある人は31.5%に上り、そのうち46.7%がハラスメントをきっかけに退職を考えているという。
調査結果ではまた、ハラスメントを受けたときの相談相手は先輩や上司、友人など身近な人が多く、病院や行政の相談窓口、労働組合への相談はほとんどされていないことが明らかになった。「相談していない」との回答も15.5%に上る。