国際てんかん連盟(ILAE)は2017年に発作分類,てんかん分類の改変版を公表した。これらの分類の目的は,より実用的なものとすることであり,てんかんの機序の解明が進んだことなどを反映している。
発作型は「focal onset(焦点発作)」「generalized onset(全般発作)」「unknown onset(分類不明)」にわけられる1)。その下位カテゴリーとして,運動発作と非運動発作にわけ,さらに焦点発作については,意識障害を伴うものと伴わないものにわけられている。続いて,てんかんの分類を行うが,てんかんの型は焦点性てんかん(focal epilepsy),全般てんかん(generalized epilepsy),全般および焦点合併型てんかん(combined generalized & focal epilepsy),分類不明のてんかん(unknown epilepsy),の4つに分類される2)。3番目に特異的な症状をきたすてんかん症候群の分類を行う。
また,新分類では,各段階での分類を行う際に,合理的な治療を実施するために関連づけるべき6つの病因として,①構造性,②遺伝性,③感染性,④代謝性,⑤免疫性,⑥病因不明,が挙げられている。なお,各段階において,知的障害・精神障害の併存症の有無を考慮する。
今回,廃止された用語や新たに取り入れられた用語などもあり,てんかんの治療,研究に役立つことが期待されている。
【文献】
1) Fisher RS, et al:Epilepsia. 2017;58(4):522-30.
2) Scheffer IE, et al:Epilepsia. 2017;58(4):512-21.
【解説】
江夏 怜*1,三國信啓*2 *1札幌医科大学脳神経外科 *2同教授