筋炎の治療目標は,筋肉内の炎症の鎮静化,筋肉量・筋力の回復であり,ステロイドが第一選択薬であるが,初期から免疫抑制薬(アザチオプリン,メトトレキサート,タクロリムス,シクロスポリン)を併用することが多くなっている
筋炎再燃時には,ステロイド増量(0.5~1mg/kg/日),免疫抑制薬(アザチオプリン,メトトレキサートなど)の追加・増量,免疫グロブリン静注療法(IVIg)を検討する
皮膚筋炎(DM),特に臨床的無筋症性皮膚筋炎(CADM)に合併した急速進行性間質性肺病変(RP-ILD)は予後がきわめて不良であり,診断後速やかに3剤併用療法(ステロイド,カルシニューリン阻害薬,シクロホスファミドパルス療法)を行う
多発性筋炎(polymyositis: PM)/皮膚筋炎(dermatomyositis:DM)治療の概略を表1に示す。
治療目標は,筋炎の鎮静化,筋肉量・筋力の回復である。筋原性酵素(CK,アルドラーゼ)は活動性の指標として測定される。厚生労働省調査研究班から「多発性筋炎・皮膚筋炎治療ガイドライン」(2015)が公表されている。
長期間の安静は,筋萎縮や関節拘縮をきたし,筋力の回復を遅らせる。そのため,初期治療中から理学療法を行う。治療早期からのリハビリテーションが有害であるとする報告はないため,早期から行ってもよい。負荷の程度により,機能予後がどのように変化するかを検討した報告はない。