□まず発症経緯を聴取し,聴力障害の原因検索を優先する。
□耳痛,めまい等を伴う場合は対症療法が必要だが,聴力障害に対する緊急性は少なく,数日以内の専門医受診で対応可能なことが多い。
□患者背景:年齢,性別,生活環境,聴力障害既往の有無は診断のヒントになる。
□発症経緯:いつ,どこで,何をしているときに発症したか聴取する。
□持続時間:症状が持続的か,断続的か,一過性かを聴取する。
□合併症状:聴力障害のほかに,耳痛,めまい,耳鳴,耳閉感,鼻炎の症状がないか聴取する。
□中耳炎による発熱,めまい,嘔気を伴う場合の血圧上昇を除き,バイタルは問題ないことが多い。
□外耳および鼓膜の所見が最重要である。鼓膜の観察には拡大耳鏡を使用するとよい。内耳の観察は基本的に不可能である。
□外耳疾患や耳垢栓塞,急性中耳炎の診断は容易である。めまいを伴う場合は眼振所見(「§1-7 めまい」参照)も診断の参考になる。
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