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慌てずに対応するには:シミュレーションで準備しよう![〈from総合医育成プログラム〉プライマリ・ケアで役立つクリニカルパール(5)]

No.5252 (2024年12月21日発行) P.14

山畑佳篤 (京都府立医科大学救急・災害医療システム学講師)

登録日: 2024-12-23

最終更新日: 2024-12-18

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T&A救急初療(病院版)編⑤ 日本プライマリ・ケア連合学会監修

本連載では,日本プライマリ・ケア連合学会/全日本病院協会が実施している「総合医育成プログラム」の中から,選りすぐりのクリニカルパールを紹介します。現場のニーズを熟知しているエキスパートが,プライマリ・ケア医にとって「まさにそこが知りたかった!」というポイントをわかりやすく解説します。

今回のクリニカルパール緊急度が高い病態への初期対応は,判断・処置のスピードが要求される!
遭遇頻度が低い病態への初期対応は,経験する機会が少なく熟練が難しい!
シミュレーションで事前に疑似体験して判断・処置に慣れておく!

1 救急初療能力はどうやって身につける?

さて,ここまでの連載では,プライマリ・ケアで出会う救急初療についてクリニカルパールをご紹介してきました。クリニカルパールをたくさん学んだので,これで救急初療は完璧,安心! と思って頂けましたでしょうか? え? やはり自信がないし,ドキドキする? そうですよね。知識だけでは不安が残ると思います。

一般的には現場で行動化するためには,いくつかのステップが必要になります。まず身につけるのは〈知識:Knowledge〉です。知識はこれまでの連載で学んできましたね。次に個々の行動についての〈技能:Skill〉です。生命を守るためにはA(Airway,気道),B(Breathing,呼吸),C(Circulation,循環)の維持が大切であり,異常を見つけたらすぐにその異常を解除しよう,と何回も述べてきました。そのためのスキルの一つひとつは,先生方のこれまでの実臨床の中で既に経験され,身につけておられることと思います。ではなぜ救急初療が難しいのでしょう? 既に身につけた知識や技能をどのような場面で,どのようなタイミングで行うか,その判断と実行が救急初療のキモなのです! 日常診療の中で使う頻度が高い知識や技能は,自然と身についていきますし,考えずに行動化できると思います。

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