□胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease:GERD)は,食道に粘膜傷害を有する逆流性食道炎と,逆流症状のみを有する非びらん性胃食道逆流症(non-erosive reflux disease:NERD)に分類される(図1)。
□食道粘膜傷害を有する逆流性食道炎の頻度は,GERDの約30~40%である。
□食事の欧米化,ピロリ菌陰性者の増加に伴い,GERD患者が増加している。
□GERD患者のQOLは十二指腸潰瘍患者と同様に低下するが,適切な治療を行うことにより健常者レベルに戻る。
□標準量のプロトンポンプ阻害薬(PPI)使用により,ほとんどの軽症逆流性食道炎,80~85%の重症逆流性食道炎は治癒する。
□GERDの典型的な症状は胸焼けと呑酸である。
□定型症状だけではなく,非心臓性胸痛や咽喉頭異常感,慢性咳嗽などの非定型症状がある。
□逆流性食道炎,NERDの診断は上部消化管内視鏡検査により行われる。食道粘膜傷害が存在する場合には逆流性食道炎,逆流症状を認めるが,食道粘膜傷害が存在しない場合にはNERDと診断される(NERDの鑑別診断に関しては「§5-4 非びらん性胃食道逆流症(NERD)」参照)。
□逆流性食道炎の内視鏡重症度分類としては,星原らが提唱した改訂ロサンゼルス分類(図2)1)が広く用いられている。粘膜傷害の程度により,Grade N,M,A,B,C,Dの6段階に分類されている3)。
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