□食道扁平上皮の下端部が,胃から連続性に円柱上皮化生を起こしたものをバレット食道(Barrett esophagus)と呼ぶ。
□主要因は,長期にわたる食道内への酸逆流,あるいは胆汁逆流であると考えられている。
□バレット食道は腺癌の発生母地となることが重要であり,わが国においても食道癌全体の中に占めるバレット腺癌の割合が増加傾向にある1)。
□胃酸や胆汁の逆流に伴う胸焼け,胸痛が出現することが多いが,無症状の場合も少なくない。
□バレット食道の診断基準は各国で異なるのが現状である。
□わが国ではesophago-gastric junction(EGJ)を柵状血管下端と定義し,バレット上皮がEGJから3cm未満のものをshort-segment Barrett esophagus(SSBE)(図1a),全周性に3cm以上の長さにわたるものをlong-segment Barrett esophagus(LSBE)(図1b)としており,腸上皮化生の有無は問わない2)。わが国では内視鏡検査を受けた人の0.2~0.6%でLSBEが認められ,SSBEはLSBEの約20倍の頻度で認められると報告されている3)。
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