□大腸ポリープ(colorectal polyp)とは大腸内の管腔内に突出した隆起性病変の総称で,種々の肉眼形態や組織像を呈する病変を含む。そのため,鑑別診断が重要である。
□診断の際は,上皮性か非上皮性かを鑑別することが基本となる(図)1)。
□大腸の単発性ポリープの分類を表に示した1)~3)。
□上皮性腫瘍では腺腫,癌,カルチノイド,非上皮性腫瘍では脂肪腫,リンパ管腫などが多い。
□過形成性ポリープ,過誤腫(若年性ポリープ,Peutz-Jeghers型ポリープなど),炎症性ポリープは非腫瘍性(上皮性)ポリープに分類される。
□近年,鋸歯状病変のひとつとしてsessile serrated adenoma/polyp(SSA/P)が注目され,腺腫と同様に前癌病変と考えられている。
□大腸ポリープの多くは無症状であるが,大きくなると血便・腸重積による腹痛を伴うこともある。
□内視鏡検査で発見されるポリープの約95%は腺腫で,その一部が癌化する。
□上皮性腫瘍の診断には,拡大内視鏡観察による画像強調観察(image-enhanced endoscopy:NBIやBLIなど)や色素を用いたpit pattern診断が有用である。
□非上皮性隆起性病変(粘膜下腫瘍)との鑑別には,色素散布や拡大内視鏡観察によるpit patternによる鑑別と超音波内視鏡検査による質的診断が有用である。
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