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くも膜下出血

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-19
寳金清博 (北海道大学大学院医学研究院脳神経外科学分野教授/北海道大学病院病院長)
杉山 拓 (北海道大学大学院医学研究院脳神経外科学分野)
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  • ■疾患メモ

    くも膜下出血(subarachnoid hemorrhage:SAH)は,外傷や炎症,その他の脳血管奇形などの結果として生じることもあるが,通常は脳動脈瘤が破裂した結果として生じるものを指す。

    破裂動脈瘤は,部位別には前交通動脈瘤,内頸動脈-後交通動脈瘤,中大脳動脈瘤が多い。

    50~70代に多く,女性に多い傾向がある。迅速な対応が必要な,致死的な病態である。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    労作時に突然発症する頭痛・嘔吐および意識障害が最も典型的な症状である。

    項部硬直・頸部屈曲制限を伴う。

    重症例では,心肺停止状態で搬送されることもしばしばある。

    発症時の意識障害の程度は最も転帰に相関する因子であり,これによる重症度分類が広く用いられている。modified World Federation of Neurosurgical Societies(m-WFNS)分類を示す()。

    08_04_くも膜下出血

    【検査所見】

    SAHが疑われた場合,初期診療の後,速やかに頭部CTを撮像し,これを診断する()。

    08_04_くも膜下出血


    MRIのFLAIR(fluid attenuated inversion recovery)法,拡散強調画像,グラディエントエコー法はCTよりも鋭敏にSAH検出可能な場合がある。

    画像で診断がつかない場合,腰椎穿刺を行うべきである。

    SAHと診断された場合,速やかに破裂脳動脈瘤を検出する必要があり,CTアンギオグラフィ(CTA)や選択的脳血管撮影(digital subtraction angiography:DSA)などを実施する。

    CTAは,CT室でSAH診断後に速やかに実施可能で,比較的低侵襲である利点がある。

    瘤内塞栓術を引き続き実施することを想定し,DSAを第一選択とする場合も多い。

    多発脳動脈瘤を認めることも多い。

    SAHが診断されたにもかかわらず,各種検査で脳動脈瘤を認めなかった場合においても,時間をあけて再度同様の検査を繰り返す必要がある。

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